スタートアップは中小企業でいい

スタートアップは、もう中小企業として認めてしまったほうがいいと思う。 これは、外から見ても中の人から見ても、そのほうが自然だと思う。

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まず、外側から見た印象の話。 スタートアップって、すごく不思議な響きを持っている。 「何億円も資金調達してる」「優秀な人が集まってる」 そんなイメージが強いから、外から見るとどこか鼻につくんだろうね。 「なんか調子に乗ってるな」「あいつらだけ盛り上がってるな」みたいに。

でも実際のところ、数億円とか数十億円の調達って、 ビジネス規模としては中小企業レベルだと思う。

ITの世界では珍しく感じるかもしれないけど、 たとえば工場や不動産の世界だと、 それくらいの金額は一つのプロジェクト単位だ。 僕がいた不動産ファンドでも、数十億円の調達は普通で、 それを回すチームも数人規模だった。

だからスタートアップの調達額を聞いても、 「まあ、それくらいなら珍しくないよ」と思う。 外から見て"特別な成功者"のように感じるかもしれないけど、 実際にはそこまでの話じゃない。

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次に、中の人の話。 スタートアップの内部にいると、 「何億円調達した」とか「成長しなきゃ」とか、 常にプレッシャーがかかる。 T2、G3とか、海外のスタートアップがどれだけ伸びてるか、 常に情報が入ってくる。 それを見て、自分たちがしょぼく感じる。

でも、そこまで思い詰める必要はない。 スタートアップも中小企業なんだから。 中小企業なら、中小企業のペースでいい。 でかい自己認識を持たなくていい。

もちろん、スタートアップをやめろという話ではない。 ただ「他と比べてもしょうがない」というだけの話だ。 世の中からそんなに期待されているわけでもないし、 少し気楽にやったほうがいいと思う。

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いわゆる"ドリーム"みたいな話もあるけど、 実際はほとんどのスタートアップが中小企業のまま終わる。 それでいい。 潰れたら次のことをすればいいし、 また別の形で何かを作ればいい。

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スタートアップを神話のように扱うから、 みんな苦しくなる。 「中小企業です」と割り切ったほうが、 たぶん現実的にもうまくいく。 そういう温度で、やっていけばいいんじゃないかな。

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